【感想】嫌われる勇気(第四夜)

読書感想

第三夜で、

課題の分離」というお話が出てきました。

これは、簡潔に言うと、

自分ができる範囲のベストができたなら、

後は相手の判断にゆだねよう。

結果、嫌われたとしても

それは

あなたの課題(あなたが原因)ではない

相手が判断することまで首を突っ込むな!

ということです。

相手の顔色をうかがってまで

相手に好かれようとすると、

自由ではなくなるよ!

自由であるためには、

時には

嫌われる」こともある

ということを理解

勇気を持とう!

 

しかし、「課題の分離」を実践すると

対人関係の間で発生する

悩みは少なくなるけど

他者とのつながり

失うことになるのでは?

他者に無関心になっていくのでは?

 

こんなところから話は始まります。。。

 

対人関係のゴールは「共同体感覚」

良好な関係は何か?

を考えたときに

ある程度の距離感が重要になってきます。

密着してしまうと

向かい合って話すこともできない。

しかし、

距離が遠すぎてもいけない。

課題の分離」とは、

他者を遠ざけるという発想ではなく、

近すぎる他者との距離

まず適切な距離感にしましょうというもの。

 

対人関係の悩みを解決するために、

「課題の分離」をすればそれでいい!

終了っ!

という話ではなく、

「課題の分離」をすることが

対人関係のスタートです。

 

 では、ゴールは何かというと

共同体感覚」だと本書は述べています。

「共同体感覚」というなんだか怪しい

ワードが出て決ました。

他者のことを「」か「仲間」のどちらかだと

考えるのではなく、

他者を「仲間」と見なし、

そこに

「自分の居場所がある」

と感じられることを、

共同体感覚」と定義づけています。

安心、安全の環境に身を置くことで、

ありのままの自分をさらけ出せるという

ティール組織の「全体性の発揮(ホールネス)

という考えに近い気がします。

 

では、「共同体」とは何なのかというと、

家庭や学校、職場、地域社会だけでなく、

国家や宇宙全体までを含んだ、

文字通りの「すべて」が共同体だと

アドラーは提唱しています。

「宇宙」というワードまで出てきて、さらに怪しい。。。

と思いましたが、

具体的に場所(学校や職場など)を限定するのではなく、

自分が現時点でいる場所のどこに対しても

という意味で考えてください。

自分がどこにいたとしても「共同体感覚」は存在するんだよ。と

自分の居場所は

会社だけ

家庭だけ

地元だけ

ではなく、どこにでもあるんだよ。

ということなのです。

 

縦の関係と横の関係

 

課題の分離」が出来たとしても

それはスタートでしかなく、

そこからどうやって対人関係を築き、

最終的に「ここにいてもいいんだ」という

共同体感覚」まで持ってくるのか?

 

ここで「横の関係」という

新たな概念が登場します。

横の関係」とは

褒めてはいけないし

叱ってもいけない

というもの。

 

褒めるという行為は

「能力のある人が

能力のない人に下す評価」

という側面が含まれているというのです。

確かに考えてみると、

自分が褒められてうれしいと感じるときは、

その相手に少なからず尊敬の念

自分より能力が高いと認めていることが多かったと思います。

逆に、

相手から褒められて

「なんだコイツ、偉そうだな!」と思ったのは、

能力的に相手を認めていないことが多かったと思います。

しかしアドラーはそれだけでなく、

人が他者をほめるとき、

その目的は

自分よりも能力の劣る相手を操作すること」であり、

そこには感謝も尊敬も存在しない、というのです。

そんなつもりはないんですが。。。

と言いたくなりますが、

上記のことから

アドラー心理学では

あらゆる「縦の関係」を否定し、

すべての対人関係を

横の関係」とすることを

提唱しています。

ではいったい「横の関係」では何をすればいいのか?

褒めてはいけないし、

叱ってもいけない。。。

できることは「援助」です!

横の関係に基づく援助のことを、

アドラー心理学では「勇気づけ」と呼んでいます。

人が課題を前に踏みとどまっているのは、

その人に能力が足りないのではなく、

純粋に

「課題に立ち向かう”勇気”がくじかれていること」

が問題なのだと、アドラー心理学では考えます。

 

勇気づけ」には具体的に何が必要かというと

「ありがとう」という感謝の言葉

「うれしい」という素直な喜びの言葉

「助かったよ」というお礼の言葉

などです。

これれは他者を「評価」しない言葉です。

他者を評価する言葉を使ってしまうと

「縦の関係」になってしまいます。

横の関係が築けているのであれば

素直な感謝や尊敬、喜びの言葉が自然と出てくるでしょう。

 

 「ありがとう」は評価ではなく、純粋な感謝の言葉。

人は感謝の言葉を聞いたとき、自らが他者に貢献できたことを知る。

確かにそうだな~と実感します。

 

「自らが他者に貢献できたことを知る(主観によって)」

      ↓

「自分には価値があると思える」

      ↓

「勇気が持てる」

という思考になるのかなと思いました。

 

ここに存在しているだけで、価値がある

 ここで1つの疑問が生まれます。

人に感謝されなければ、自分に価値はないのかと。

赤ちゃんや寝たきりの状態の人には価値がないのかと。

しかしアドラーは「価値はある」といいます。

他者を「何をしたか」という「行為」のレベルで判断するのではなく、

「存在」のレベルで見ていくのだと。

人は存在しているだけで価値がある

みんながお互いにそう思いあえたら、

幸せなことなのだと思います。

 

第四夜では、

課題の分離ができ、

共同体感覚を意識していくためには

横の関係」がとにかく重要だと述べています。

あなたは「縦の関係」ではなく

横の関係」が築けていますか?

これは我が子や後輩など例外なく

すべての人に対してです。

コメント